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川上和人『鳥類学者の半分は鳥類学ではできてない』(新潮社)読み終えた。
めちゃめちゃ、めちゃめちゃおもしろかった。鳥類学の研究者とか「鳥を見てるだけで労働が成り立ってる」と思いがちだが、実は鳥を見ていない仕事もたくさんあるんだな〜とか、ひとくちに生物の研究と言っても多分花形になるような研究と、そうじゃない研究があるみたい。
わたしが川上和人の本を好きだなと思うのは、人間の感覚からしたらマイナスに感じられる事象をポジティブに書いたり、鳥にとっての「当たり前」として人類とは離れた感覚を肯定していくところ。
この本だと「絶滅」を完全に否定的には書かない部分で、「うつくしい絶滅」という言葉が使われていたが、その部分とか。「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」でも、巣材の少ない島嶼では同族の骨を巣材に作る、という描写を「うつくしい」と書いていて、この眼差しを私は好きだと思う。 #fedibird #読書
テッド・チャン『あなたの人生の物語』
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000611155/
自分はあんまり賢くないのでこの中短編集はかなり難解だったが、読み終わって、分からないながらも脳の心地よい痺れみたいなものがある。SFが人間の進歩を描くジャンルだとすると、作者は精神的な進化(何かを理解できるようになる、価値観が拡張する、というような)に軸を置いているのかなと思った(ただし、その先にあるものは必ずしもポジティブな結果ではない)。数学、物理学、言語学、心理学などありとあらゆる学問にリンクしていて、物語の流れは哲学書のようでもある。
表題作の映画化である『メッセージ』を先に見た。映画は映画として面白かったが、ちょっと釈然としない部分があり、それは映画オリジナルの展開だったらしい。次元のジャンプを自由に描けるという点はやっぱり小説の強みだなぁ。
タイミングの妙だなと思ったのが、『顔の美醜について』という複数人へのインタビュー形式で進む短編。タイトル通りルッキズムの話なのだが、先日の参院選で物議を醸した政党を少し彷彿とさせる部分があった(現実に起きたことと似通った展開や描写があるということではない)。
【映画「メッセージ」原作】地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく……ネビュラ賞を受賞した感動の表題作をはじ…
www.hayakawa-online.co.jp昨日病院の待ち時間などで読了。
中村達さんの前著『私が諸島である』を読んで、すごくよくて、二冊目の本が出るのを楽しみに待っていたので、一章一章大切に読んだ。
文字/書物として残っていく歴史、その「歴史の正統性を定める存在」について、深く考えることになったし、特に興味深かったのは「フラクタル・ファミリーズ」の章。「家族」という結束を「一単位」としてある程度要素が決まっている状態で算出される価値観がいまの私が生活している環境では隆盛を誇っているが、それとは全く異なる「フラクタルな関係性」という「家族」をカリブ海の人々が名乗る、というところに胸が熱くなった。
『私が諸島である』でもっと読みたい!と思っていた女性たちのこととかも、丁寧に賞立てて書かれていて嬉しかった!
中村さんの研究をこれからも追い続けていきたいなー。
#fedibird #読書
そうそう!これ載せるの忘れてたんですが、今日の #ひらかたブックバザール で買った本(一部)。タコとイカのこころ特集のビッグイシューとますく堂さんのなまけもの雑記! #読書
『極北の海獣』イーダ・トゥルペインネン 古市真由美訳 河出書房新社 #読書 #fedibird
18世紀ロシア、19世紀アラスカ、現代フィンランド。人類に絶滅させられたステラーカイギュウをめぐり、そのステラーカイギュウがまだ生きていた時代から、絶滅後「ロマン」として求められていた時代、人類が「絶滅」という言葉や現象と、自分たちが生き物を絶滅させているという自覚を持った時代、「私たち」へと辿り着く物語。
シュテラーとかベーリングとかたくさんの実在の人物の名前が出てくるから、伝記なのかな?と思うけれどそうではなくてフィクションで、歴史の中に「あったかもしれない(あっただろう)」人々の高揚や葛藤が描かれているのがとてもおもしろかった。
これは別の本で読んだのだけど、かつてキリスト教圏のひとびとは、動物や環境というのは神が人間のために整えたから「使ってもいい」と思っていたらしい。だから絶滅という現象が起こるとは夢にも思っていなくて…。その頃の時代というのは、ツバメは冬になると海の中で過ごしているとか、現代からみたら荒唐無稽な「科学」の時代ではあったんだが…「絶滅」を知った時だって「とにかく標本を作ること」が「最先端の科学」だったりとかする「過去」から、→
感想うまくまだ書けないんだが、安田菜津紀『遺骨と祈り』すごい良かったよ。ちょうど一昨日「小名浜ピープルズ」(小松理虔)っていう本を読んでたら、原発事故考証館がある温泉宿のエッセイがあって、そこに娘さんのランドセルを展示していて、語り部のような活動をしている木村さんっていうかたの話があったの。『遺骨と祈り』は、その木村さんと、沖縄の戦没者の遺骨を捜索している具志堅さんの交流を中心に、ガザでの虐殺にもしっかり言及している本だった。
靖国神社の前で行われたシールを貼ってもらうアクションでは、様々な立ち位置の人が「遺骨の含まれた土を辺野古の埋め立てに使うべきではない」というシールを貼っていたこととかは、戦禍が近づいてきてるいま、「私たち」は本当に「戦争」をしたいのか、決まってしまったら/始まってしまったら「止められないのか」ということを問われていると思った。いろんな人に読んでほしいし、読んだよっていうことを語り合うことから始めたいなと思える本だった。 #読書 #fedibird
『反乱は続いている 祖母・母・娘たちのフェミニズム』ファニー・アンビョーンソン他著/よこのなな訳/花伝社
「世界一平等」の国、スウェーデンで、25年前に刊行された本。若い女性たちが、同世代・母・祖母世代に、「闘い」のことを聞きにいった本。フェミニズムという潮流はずっと世界と戦ってきたと思うけど、その「闘い」ってなんなんだろう?というところから出発する。どんな蓄積もそうだけど「歴史」として語られ、記録されていくものだけが「それ」なのか。「歴史」に名を残すものだけが「戦っていた」わけではないというのは、頭ではわかっているけど見過ごしがちで……。切実に望んでいたテーマの本なので、翻訳しことがとてもうれしいなと思える本だった!
わたしが一番印象に残ったのは、祖母世代の章。たとえば、「キッチンのシンクの高さ」を獲得することって、いまの価値観だとその闘いはものすごく男性主権社会への迎合として捉えられがちだけど、女性が家にいて快適な家庭を整え、優しく美しい「母・妻」として存在しているのが理想とされていた当時に、あらかじめしつらえられている「シンク」を、「自分の(身体の)ため」に、改造を要望するということがどれだけ大変で革新的な「闘い」だったのか、ということ。
#読書 #fedibird
「女性も大体は男性と同じだ、と私は思っている。私たちはみんな、自分の仕事によって形成されている。私たちが上に立ったとしたら、権力を濫用してしまう素質は、少なくとも男性と同じくらいにはある。」『反乱は続いている 祖母・母・娘たちのフェミニズム』
この言葉を95歳の女教師だった人が言う、というのがすごく心強いなーと思う。
#読書
「この作業のあいだ、わたしたちは尋ねあってきました。フェミニストの闘いって、ほんとのところなんなんだろうね、と。バリケードの上や歴史の教科書の中に姿が見えるひとたちだけが、フェミニストなんだろうか。それとも、だれかのおばあちゃんだってそうなんだろうか。探してみると、闘いはさまざまな場所で見つかりました。洗濯小屋の中で、国会の中で。デモ行進の中で、保育所で。焦点を合わせさえすれば、表面で見えているところだけではなく、あらゆるところで、闘いが進行していたことがわかったのです。」『反乱は続いている 祖母・母・娘たちのフェミニズム』ファニー・アンビョーソンほか よこのなな訳
いろんなところで「フェミニズム」が、大きな立場に立つ人によって選択/決定されていくことをやっぱりしんどいなあと思う。顧みられない場所で行われる闘いはそういう決定や選択権のある場所から見ると「劣っている/指導が必要である」と「評価されうる」ことってある…っていうこととか最近ずっと考えてるから、この本を読み進めていく中でいろんなものを見つけられるといいな〜 #読書
『ハヤブサを盗んだ男ーー野鳥闇取引に隠されたドラマ』ジョシュア・ハマー 屋代通子訳 紀伊国屋書店
めちゃめちゃ面白かった。
希少な鳥、特にハヤブサの卵を密輸する男を追ったルポルタージュで、野生生物捜査官の置かれている現状や、自然を愛好している人間のその「愛好」というゆがみがいつのまにか「希少種の保護」という名目で密猟にすり替わっていくところとかは人ごとではないなあと思ったり。
私は写真を撮る人間だが、希少種の写真を、環境に負荷を与えても撮らなければならない人たち(そして彼らには罪悪感がない場合もあること)とかのことも考えた。
これは実話だけど、こういう小説書きたいなーって思ってる。
#読書
名古屋のhennbooksさんで買った本と、マルゼンで買った本!
hennbooksさんは栄新町駅から近くの無人の古本&新本屋さんで、基本的に支払いが電子マネーなんだけど、幻想&ミステリと、医療系がめーーーっちゃ充実してて…めちゃめちゃ本選ぶのが大変!!!!!という。すっごい悩んでこの三冊…。
マルゼンでは『オはオオタカのオ』の作者のハヤブサの本とか…動物の軍事利用について今興味関心が強いので、それらの本とずっと欲しかった『タコの精神生活』を買った…。
なんかやっぱ、SNSやネットだけで本探すのは無理あるわ〜都会のでかい本屋でぶらぶら歩くってなんだかんだ「必要」なんだな…という気持ちを抱いたり…。
読む本がありすぎる…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
#読書 #日記
王谷晶さん「ババヤガの夜」英訳版(サム・ベットさん訳)が英国のCrime Fes主催、スペクセイバー新人賞を受賞したそうです。
おめでとうございます!
王谷晶さん『ババヤガの夜』英訳版(サム・ベットさん訳)がイギリスのCrime Fes主催、スペクセイバー新人賞を受賞!🎉ダガー賞のロングリストにもノミネートされている本作、快挙です!
x.com『ツバメのひみつ』著者・長谷川 克 監修・森本 元 緑書房 #読書
読み終えたー!めちゃめちゃ面白かった。
二軒くらい隣の家には燕が毎年来てくれて、うちには毎年下見だけ…という状態ですごく寂しい気持ちを繰り返している(今年も)。
ツバメってすごく身近な生き物だけど、全然知らないなーって思った。燕尾のことや、喉の赤さのこととか。
昨日まで読んでた『人間がいなくなった後の自然』にもあったけど、人間が全てを(野生動物のために)良かれと思って整えてしまうことについても考えるきっかけになってよかった。
これが正しい、と思って動物相手に行動するのもまたパターナリズムだよねということとか。もっと丁寧に考えていきたいテーマだなと思った。 #fedibird
『私と夫と夫の彼氏14巻』綾野綾乃さん #読書
すごくしんどい場面がある巻だったけど、その分大切なこともたくさん書かれていて、泣きそうになった。
周平くんが未来のことを考えて行動し始めたことや、先に悠生さんが自分の力で戦ったこと、そのとき美咲ちゃんのそばにいたことが、すごくいいな…と思った。
偏見にまみれた「無理解」への抵抗が今回の巻ではクライマックスになってるけど、三人の周りの人たちが自分の気持ちと自分の周りにいる人たちを大切にしているがゆえの反対やすれ違いの「その先」へ進んでいこうとする姿も見所(というのかな…なんか言葉難しいな)で、今日も頑張ろう…という気持ちになった。
なんか読んだ後「生きよう」って思えるお話っていいよね…。
https://books.rakuten.co.jp/rk/152c656ed8bc3e93993585087b13cc3f/
『労働廃絶論』ボブ・ブラック 翻訳/解説ホモ・ネーモ
この世で最も憎いものが「労働」なのでZINEフェス名古屋で見つけた時に速攻で買った。労働廃絶されてほしい…
#読書