10m級の大きな横断幕・懸垂幕、ウィンドウ、ウォールグラフィックなどは、Illustratorでの作業や、出力用PDFを作成する場合、1/2に縮小とか、1/5、1/10に縮小したデータを作成して、RIP側で拡大します。
作業するときに人間が間違いにくいのは1/10ですが、出力用のデータは1/2でフィニッシュするなど、ある程度統一しておくと事故が防げます。
倍率を変える場合、画像やアピアランスのドロップシャドウなどで解像度を逆算する必要があります。
もとより定型サイズを扱う仕事ではないので(定番はありますが)、仕上げ寸法は、現場調査での測定値、現物のサイズ、制作指示、データの突き合わせを行いながら、各工程の担当がチェックしてミスを潰します。基本的に、入稿データが原寸になっていない前提で考えています。
で、肝心な出力範囲の明示方法ですが、一番具合が良いのはデジタルトンボです。
ブリードは1mmで良い場合と、30mm、50mm、200mm欲しいとかいう極端なケースが混在しています。25.4mmを超えられないので、そういう場合はアートボードそのものを大きくしてもらいます。 #dtp
そのため、結局のところ、入稿データはネイティブデータとPDFの両方をもらい、都合に合わせてどちらかを使ったり、両方を使ったりします。
ネイティブデータで、昔ながらのトンボで入ってきたデータは、アートボードをトンボにあわせて中心を出し、正寸+ブリードに直して(デジタルトンボ化)、PDF化してしまうことが多いです。
ネイティブでデジタルトンボであれば、PDF化するだけでそのまま使えることが多いです。
いずれの場合も、ブリードが足りない場合、逆に不要な場合(インキがのってるとウェルダーが効かない等の都合)などがあり、すべてを客先に準備させることが現実的でない場合が多々あるため、受け取った我々が作業するケースが多いです。
画像のサイズ不足は、反転してくっつけたり、コンテンツに応じるでカバーしたりとか、曲線パスが伸びてない場合は(想像・推定で)延長するとか、そういう作業を行います。
責任区分的に踏み込みすぎかもしれませんが、データを出してくる側に全ての都合を説明するのが難しく、通常は先方にそれができるスキルもありません。
逆に、ここがワカル相手には良い取引条件が出せます。 #dtp